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6月, 2018の投稿を表示しています

相続パート1 ~遺書~

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こんにちは! スペクト&プライヤーのリーガルアシスタント兼翻訳のAyaです。 すっかり本格的に夏になってきましたね。毎日暑いですが、みなさんお元気にお過ごしでしょうか? 前回までは結婚離婚のお話をしてきましたが、今回から、次回にわたって、 相続 についてのお話をしたいと思います。今回は 遺書 についてです。 死は誰にでも訪れるもの・・・しかし、いざ自分の番という時にはどう対応すればいいかわかりませんよね。以下では、遺書の残し方についてお話します。 Photo : Pexels Free Download 遺書は、あなたがこの世に残す最後の手紙になります。もし遺書を残さなければ、あなたの財産資産は、British Columbiaの法律により分割されてしまうので、あなたの家族を守るためにも、亡くなった後に自分の意思を残された人に伝えるためにも、とても大切な資料になります。遺書はいつでも書き換え可能で、死ぬまで有効にはなりません。子供やパートナー、そして資産を保持する大人なら誰でも遺書は書くべきですが、驚くことにBritish Columbiaでは残す人がそんなに多くありません。 ではどう遺書は残されるべきなのでしょうか? 16歳以上、または軍隊で働く者ならだれでも遺書は残せます。しかし、どんな遺書でも有効、というわけではなく、遺書を書くにあたって、従わなければならないいくつかのルールがあります。 1.遺書は書面にて残されなければならないが、手書きでもタイピングでもよい。 2.遺書の最後に遺書を残す本人のサインがなければならない。そのサインは、2人の証人のもと、本人がしなければならない。もし、障害や病気でサインが不可能な場合には、代理人がサインを本人と2人の証人の目の前でしなければならない。 3.2人の証人が本人の前でサインをしなければならない。本人と証人は、すべてのページにイニシャルを残さなければならない。 4.遺書には日付がなければならない。 たくさんのルールがあるんですね。上記のほかに、証人(立会人)の2人は19歳以上でなければならない、というルールがあります。 では遺書にはどのようなことを書けばいいのでしょうか? 1.まず最初に実行者(Executor)を任命しなければなりません。Executorは、遺書に

結婚・離婚 in BC州 その4・養育・資産分与

こんにちは。スペクト&プライヤーのリーガルアシスタント兼翻訳のAyaです。 本日も引き続き、結婚・離婚 in BC州の第4回です! 先日はいろいろな種類の離婚のプロセスについて、簡単に説明しました。今日は 養育義務 、そして 資産分与 の話をします。 私たちが、お客様から受ける離婚についての質問は主に慰謝料についてです。 BC州では慰謝料は存在しません。 なぜかというと、離婚の際、その理由についてBC州は問わないからです。このシステムを”no fault”離婚システムといいます。 “No Fault”システムは、まず(その夫婦に子供が居る場合)子供にとって、一番有益になる方法について、最も力を入れています。そして、財産、資産分与が行なわれます。子供の養育義務は必須であり、その費用は、当事者の収入から連邦政府によって定められた割合に基づいて、定められます。配偶者についての援助費用は多くの要素に基づいて定められます。 しかし、もし日本人が日本で結婚をして、カナダに来た後、両者が離婚について同意した場合、カナダの離婚システムに従う必要はありません。離婚届をダウンロードし、戸籍謄(抄)本を取り寄せ、フォームに必要事項を記入し、カナダにある領事館に届ければよいだけです。 ではどのように養育義務、資産分与は定められるのでしょうか? まず養育について紐解いていきましょう。離婚する夫婦に子供がいる場合、Best interest of the child が法律で定められていて、親、そして裁判官は子供にとって一番有益な決断をすることが必要です。 結婚して子供と一緒に住んでいる夫婦は、子供の保護者として認められていて、子供を養育する責任を共有しなければなりません。それは離婚しても変わらず、同意や裁判にて片方の親が保護者として認められない場合以外、離婚後も夫婦の両方が保護者としての責任を保持します。もし片方の親が子供と一緒に住んだことのない場合は保護者として認められません。 両方の同意や裁判所の判断により、親は保護者として外される場合もあります。その場合も子供とのContactは認められますが、保護者としての責任は持ちません。 ではもし、継父継母が子供の保護者になりたい場合はどうでしょう?その場合は、また裁判所にて任命されることが必要になります。

結婚・離婚 in BC州 その3・離婚について

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こんにちは。スペクト&プライヤーのAyaです。 前回のブログの更新からしばらく経ってしまいましたが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか? 前回に引き続き、結婚・離婚in BC州について紐解いていきたいと思います。 今回は離婚にまつわるお話です。驚くことに、British Columbiaでは年間何千ものカップルが離婚そして別居をする決断をしています。そのプロセスとはいったいどんなものなのか、見ていきましょう。 Photo: FreeDegitalPhoto.net まず離婚には2つの種類があります。DivorceとSeparation です。 Divorceは法的な処理の必要なLegal marriageのための離婚で、BCの最高裁判所が決断を下すことが必要になります。 一方、Separationは、2人のlegalまたはmarriage-like relationshipカップル(Common law)が別居を決断した時に起こります。Legal marriageのDivorceへの第一歩とも考えられます。 Legal marriage、Common law、どちらの場合にしても、2人で共有された資産、債務、そして子供がある場合、Separation Agreementをサインしなければなりません。Separation Agreementとは、子育て、養育費、配偶者のサポート、資産、そして債務についての同意書です。Common Lawの場合で、資産や債務、そして子供がいなければ、特別な手続きは必要ありません。 Legal marriage を終わらせるためのたった一つの方法はDivorceであり、裁判所が認めなければなりません。では、どのような条件がDivorceには必要なのでしょうか? ・2人は過去1年別居している か ・片方が姦通、不倫をした か ・片方が身体的、精神的な暴力をもう片方にふるった 場合に離婚を申請できます。その上で、 ・2人のうちの最低1人はBC州に12か月間住んでいる ・結婚生活がうまくいっていないことを証明できる ・裁判所が子供の援助についてのアレンジメントを決定した ことを満たせていれば、裁判所が離婚を下すことができます。 日本