もしカナダで亡くなってしまったら
こんにちは、通訳の安藤です。
あまり縁起の良い話ではありませんが今回はBC州で亡くなられてしまった場合、自分の財産はどのように家族へ渡るのかをお話したいと思います。
BC州で人が亡くなった場合にはその方の遺言書に沿って資産の分配が行われます。その分配の手配をするのは遺言書内で定められている遺言執行者または管理者(Executor or Administrator)が行います。遺言書がない場合には一般的には遺族の方がどなたか代表で遺言執行者に申し込むことができます。
遺言執行者はプロベートという法的手続きを行います。プロベートとは遺言書が有効であるかを確認するための手続き、とBC州政府のウェブサイトでは定義されています。資産の種類にもよりますが、遺言執行人はこの手続きを経たのち個人の方の遺産へアクセスをすることができるようになります。
例えば故人の方の遺産の大半が投資や預金といった形で銀行へ預けられていたとします。遺言執行人はプロベート手続きを経た後に銀行から故人の遺産を引き出せるようになります。
またプロベート時にはプロベート費用がかかります。こちらは日本でいう相続税のようなものですが日本では場合によっては総額の半額ほど徴収されるのに対して、カナダでは最大1.4%です。(ただし資産の種類によっては他の税金がかかる可能性があります。)
遺言書無しで亡くなられた場合、遺産の分配は法律に基づいて行われ、家族は分配方法を決定することはできません。基本的には配偶者、子ども、その他家族の優先順位で受け取る権利があります。またプロベートを行う弁護士は分かり得るすべての家族へ連絡を取るなど仕事内容が増えるため遺言書がないとプロベート費用がかさみます。
最近はオンラインなどで自分で作る遺言書などもありますが、この遺言書の内容がBC州の法律に沿っていないことがあるため、いざ必要となったときに蓋を開けてみたら効力のないものであったという事があります。一例としては故人の子どもへの遺産分配を正当な理由なしに不平等に分配する内容の遺言書を自分で用意したために、その子どもが裁判を起こして平等に分配された、などです。この事から遺言書を準備される際には弁護士へ相談されることをお勧めします。
参考:
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/life-events/death/wills-estates
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/life-events/death/wills-estates/probating-a-will
安藤
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