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ブログ移動のお知らせ

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 10年以上に渡り細々と続けてきたスペクトアンドプライヤーのスタッフのブログですが、ウェブサイトのアップデートに伴いウェブサイト内へ引っ越しをする事となりました。 新ブログのページ https://spechtandpryer.com/ja/ブログ/ これからもゆっくりなペースで更新をする予定ですので、引き続きお付き合いいただければと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 SPECHT & PRYER   Barristers / Solicitors   Suite 1150 - 789 West Pender Street | Vancouver, BC V6C 1H2 Office:604.681.2500 | Fax: 604.736.0118 Specht and Pryer Website 記事の内容は正確な情報を書くように努めていますが、情報の正確性・信頼性を保証するものではありません。 当ブログの内容を元にした行動によりおきた損害・損失について、管理人は一切の責任を負いかねます。予めご了承下さい。

カナダの出生届とお母さんの旧姓

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 こんにちは、通訳の安藤です。 BC州でお子さんが生まれた時にはオンラインで出生を登録することができます。                                                                          (free download from pexels) その際に必要となる情報の一つが母親の旧姓なのですが、ここで気になる表記を見つけました。 What is the mother's maiden surname? The mother's maiden surname is the last name on her birth certificate, or, if a legal change of name was completed, the last name on her change of name certificate. 訳)母親の旧姓とは何ですか? 母親の旧姓とは彼女の出生証明書にある苗字、または名前の変更を行った場合には氏名変更証明書にある苗字です。 BC州では氏名変更の手続きを行わずとも、自分の配偶者の苗字を名乗ることができるという法律があります。また離婚時に以前の名前に戻ることも法的な手続きなしで可能です。運転免許証やパスポートも結婚証明書さえあれば苗字変更が可能です。 ここで若干ややこしいのが日本人のケースです。日本人に出生証明書はないので戸籍謄本を使用する事となります。 苗字の変更を行った場合には旧姓があるわけですが、戸籍上は新しい苗字が表記されているのでこのBC州の言う証明書にある苗字に当てはまらないわけです。ですのでBC州の旧姓の定義に合わせるのであれば、お子様の出生時に戸籍にある苗字を記載させるのが正しいという事になります。 ここまで読んだ方でもしかすると日本の定義での旧姓を入力してしまった!という方もいらっしゃるかもしれません。ではそれが問題になるのか、正直に申しましてわかりません。 出生証明書の内容の訂正は可能ですので、どうしても気になる方は変更も可能です。 https://www2.gov.bc.ca/gov/content/life-events/birth-adoption/births/birth-registration/changes-to-a-b

セパレーションアグリーメント

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 こんにちは、通訳の安藤です。 結婚やコモンローの関係を解消する際に必要になるのがセパレーションアグリーメントです。この文章の中には一般的に以下4つの内容が盛り込まれます。 (free download from pixabay) 1.養育のスケジュールについて 親権についてや、子どもがどのように親と過ごすのかのスケジュール等についての取り決めなどについて記載します。クリスマスや子の誕生日などの特別な日にどちらと過ごすのかなどを決める家庭もあります。 2.養育費について 3.財産分与について 4.配偶者に対するサポートについて 2-4に関しては以下のブログをご参照ください。 https://spechtandpryer.blogspot.com/2022/01/blog-post.html また以上の内容の他に子どものパスポートをどちらが持つのか、旅行をする際に何日以内にトラベルドキュメントにサインをするのかなどを記載される方もいます。 お子さんがいる方が離婚される場合にはセパレーションアグリーメントの作成は義務ととらえていただいて大丈夫です。 セパレーションアグリーメントを裁判所に提出し受理された場合、それは裁判所命令となります。ただし内容が一方に有利な内容であった場合には、たとえ受理されていてもそれによって不利になった側が裁判所へ訴えた場合取り消しとなる場合があります。ですのでフェアになるように書類を作成する必要がありますが、何がフェアなのかという点ですが、こちらは皆さんが思っているものと相違がある場合があります。自分が思っているよりも法で守られたというクライアントの方も多くいらっしゃいます。 自分、そしてお子様の権利を守る為にも離婚をされる場合には専門家から法的なアドバイスを受けてください。 安藤 SPECHT & PRYER   Barristers / Solicitors   Suite 1150 - 789 West Pender Street | Vancouver, BC V6C 1H2 Office:604.681.2500 | Fax: 604.736.0118 Specht and Pryer Website 記事の内容は正確な情報を書くように努めていますが、情報の正確性・信頼性を保証するものではありません。 当ブログの内容を元にした

詐欺にご用心!

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 こんにちは、通訳の安藤です。皆さん一日に何件電話がかかってきますか?またそのうちの何件が詐欺電話でしょうか。今回はカナダにはびこる詐欺(Scam)についてです。 (Free download from rawpixel)  Canadian anti-fraud centreによると今年だけでも詐欺の件数は12,000以上、そして被害額は$75.5ミリオンに上ります。 流行りの詐欺 電話の詐欺 皆さんが一番遭遇するのは電話による詐欺かもしれません。CRA(税務局)やIRCC(移民局)装い、電話を掛けなおさないと逮捕、罰金や国外追放になると脅します。掛け直した相手からプリペイドカードやギフトカードを購入させることで支払いを受けます。 投資を装った詐欺 通常よりも高い利子を約束しお金を支払わせる、圧的な態度で投資を勧められる、投資の入金を仮想通貨で行うよう指示される場合には注意しましょう。また偽の仮想通貨を購入するためのサイトにも気を付けてください。 ロマンス詐欺 投資詐欺についで二番目に多いのがこのロマンス詐欺です。メールやメッセージのやり取りを介してあたかも恋人の関係にあるように相手に錯覚させ、信用を得たところで会いに行くための旅行費用や医療費と称して金銭の要求を始めます。 身を守るには 1.個人情報を与えない 名前や住所、SINや銀行口座情報などをむやみに伝えないようにしましょう。自分から電話を掛けない限り、相手が誰なのかはわかりません。 2.Noといえるようにしましょう テレマーケターの高圧的な態度に委縮する必要はありません。リクエストを手紙で送ってもらうようにする、もしくは電話を切りましょう。 3.リサーチをしましょう 自分に連絡を取ってきた団体が本物なのか常に確認をしましょう。電話番号をオンラインで調べ、合っていたとしても自分からその番号にかけて確認をします。またカナダでもオレオレ詐欺が発生しています。家族を語る人物からトラブルに見舞われた等の連絡があった際には他の家族に連絡を取り確認を取りましょう。 また電話だけでなくテキストでリンクを送ってくるもの、また知らない人からのwhat's appやLineのメッセージにも要注意です。私は一瞬知り合いだと思い返事を返しかけましたが、電話番号がバンクーバーの番号でないことに気づき事なきを得ました。 参考

こんな時は迷わず警察へ

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こんにちは、通訳の安藤です。 クライアントの方から相談されるケースの中に「一刻も早く警察へ通報してください!」というケースが結構多くあります。文化の違いからか、はたまた法律の違いからか。もしかしたら警察への連絡は気が引けるのかもしれません。 (Free download from Pexels) ケース数ナンバーワンは家族や恋人からの暴力です。 殴る蹴るなどの身体的な暴力はもちろんの事、危害を加えると脅されたときにも警察へ通報をして下さい。またお子さんが被害者の場合もそうです。 なぜ通報が重要となるのか?通報することそのものでは問題は解決しないかもしれませんが「相手が自分に危害を与えていると自分が認識をしている」という証拠になります。 例えば相手は暴力をふるっていないじゃれていただけ、自分は暴力をふるわれたという食い違う主張の争いになった際、警察への通報履歴がないと「なぜそれなら警察に連絡をしなかったのか」と自分の主張が弱くなります。 また通報が証拠/履歴となり、刑事裁判になった際、相手の暴力の履歴があることで自分が有利になる事があります。 好きな相手に暴力を振るわれることは身体だけでなく心もとても傷つくことでしょう。しかし暴力は許されません。自分が悪いから暴力を受けた、という事もありません。深呼吸をして落ち着いて通報をして下さい。 安藤 SPECHT & PRYER   Barristers / Solicitors   Suite 1150 - 789 West Pender Street | Vancouver, BC V6C 1H2 Office:604.681.2500 | Fax: 604.736.0118 Specht and Pryer Website 記事の内容は正確な情報を書くように努めていますが、情報の正確性・信頼性を保証するものではありません。 当ブログの内容を元にした行動によりおきた損害・損失について、管理人は一切の責任を負いかねます。予めご了承下さい。

カナダでの離婚~子どもがいる場合~

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 こんにちは、通訳の安藤です。 今回の離婚シリーズは離婚と子どもについてお話します。 (free download from rawpixcel) 1.親権について 日本で両親が離婚する際は一方の親が100%の親権を持つのが一般的ですが、カナダでは両方が親権を持つのが一般的です。どのくらいお互いが子どもとの時間を過ごすかはその過程によって異なります。例えば1週間ごとにお互いの家を行き来する場合もあれば、平日はお母さんで週末はお父さんという家庭もあります。 2.子どもを連れて日本へ戻れるかは相手次第 親権をお互いが持つことが一般的である為、もう一方の親の了承なしで日本へ子どもを連れて帰ることはできません。ただし相手がドラッグやお酒に依存しているなど子どもを養育するにふさわしくない状態にある場合にはその限りではありません。 3.養育費について 養育費は多く子どもと時間を過ごす方に対して支払われ、その額はお互いの収入をもとに計算されます。もし養育費の支払いを滞納した場合には給料や財産が差し押さえられます。また学費など普段の生活の他に費用が発生した場合には、お互いの収入の割合でその費用をそれぞれ負担することになります。 4.セパレーションアグリーメントは必須 お子さんがいる家庭が離婚をする場合にはセパレーションアグリーメントは必須となります。そこには養育のスケジュール、養育費、子どもに関する事柄の決定権はどちらが持つのかなどが書かれる必要があります。また家庭によっては子どもと旅行をする際の取り決め事やRESP(国の学費積み立てプログラム)に関して記載をする場合もあります。 日本とカナダで大きく違うのは親権の部分かもしれませんね。結婚相手の元配偶者との間の子どもが家に来て自分たちの子どもと時間を過ごす、という状況はカナダではごく一般的ですが日本の方にその話をするとビックリされるかもしれません。 安藤 SPECHT & PRYER   Barristers / Solicitors   Suite 1150 - 789 West Pender Street | Vancouver, BC V6C 1H2 Office:604.681.2500 | Fax: 604.736.0118 Specht and Pryer Website 記事の内容は正確な情報を書くように努め

もしカナダで亡くなってしまったら

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こんにちは、通訳の安藤です。 あまり縁起の良い話ではありませんが今回はBC州で亡くなられてしまった場合、自分の財産はどのように家族へ渡るのかをお話したいと思います。 BC州で人が亡くなった場合にはその方の遺言書に沿って資産の分配が行われます。その分配の手配をするのは遺言書内で定められている遺言執行者または管理者(Executor or Administrator)が行います。遺言書がない場合には一般的には遺族の方がどなたか代表で遺言執行者に申し込むことができます。 遺言執行者はプロベートという法的手続きを行います。プロベートとは遺言書が有効であるかを確認するための手続き、とBC州政府のウェブサイトでは定義されています。資産の種類にもよりますが、遺言執行人はこの手続きを経たのち個人の方の遺産へアクセスをすることができるようになります。 例えば故人の方の遺産の大半が投資や預金といった形で銀行へ預けられていたとします。遺言執行人はプロベート手続きを経た後に銀行から故人の遺産を引き出せるようになります。 またプロベート時にはプロベート費用がかかります。こちらは日本でいう相続税のようなものですが日本では場合によっては総額の半額ほど徴収されるのに対して、カナダでは最大1.4%です。(ただし資産の種類によっては他の税金がかかる可能性があります。) 遺言書無しで亡くなられた場合、遺産の分配は法律に基づいて行われ、家族は分配方法を決定することはできません。基本的には配偶者、子ども、その他家族の優先順位で受け取る権利があります。またプロベートを行う弁護士は分かり得るすべての家族へ連絡を取るなど仕事内容が増えるため遺言書がないとプロベート費用がかさみます。 最近はオンラインなどで自分で作る遺言書などもありますが、この遺言書の内容がBC州の法律に沿っていないことがあるため、いざ必要となったときに蓋を開けてみたら効力のないものであったという事があります。一例としては故人の子どもへの遺産分配を正当な理由なしに不平等に分配する内容の遺言書を自分で用意したために、その子どもが裁判を起こして平等に分配された、などです。この事から遺言書を準備される際には弁護士へ相談されることをお勧めします。 参考: https://www2.gov.bc.ca/gov/content/life-events/deat