DV(ドメスティックバイオレンス)は身体への暴力だけじゃない

初めまして。スペクトアンドプライヤーの通訳、安藤です。

普段はあまり表に出ないのですが、プライヤー弁護士の通訳を5年弱続けてきた中で気づいた皆さんに役立ちそうな情報を少しずつシェアしていきたいと思います。

今回はDV・ドメスティックバイオレンスについてです。


                                                         (free download from rawpixel)


DVと聞くと多くの方は配偶者からの殴る蹴るなどの暴力をイメージされると思います。もちろんこれはDVに当てはまりますが、それだけが対象ではありません。BC州では誰からの暴力がDVにあたるのかについては、配偶者(結婚、コモンロー)と恋人とあります。そして性的、感情的、経済的、脅迫などを含む精神的な暴力すべてをDVと定義しています。また関係が終わってからの元パートナーからの暴力も含まれます。また当然ながらDVをする方、される方の性別はどの組み合わせも対象です。

例えば誰かやペットを傷つける、もしくは傷つけると脅したり、自殺をほのめかして脅迫をしたり、物を壊したり、お金を盗んだり、同意のない性行為のすべてがDVです。

日本ではモラハラという言葉がありますが、暴言を吐いて脅迫や人格否定をする事や生活費を渡さずに経済的に困る状況にするというのがそれに当てはまるのであれば、BC州ではそれはDVです。


それではDVから身を守る為にはどうすればよいのでしょうか。


まず、自分が危険な状況にいる場合には911に連絡をして下さい。英語での状況説明が難しい場合にはJapanese pleaseと話せば通訳に繋がります。またその結果警察が来ることになった場合にはケースナンバーを貰いましょう。あとでこれが役に立つ場合があります。

状況によってはプロテクションオーダーと呼ばれる接近禁止命令を裁判所から取ることができます。相手と婚姻関係にある場合には同時に離婚手続きを開始することもできます。また別の記事で書きますが、カナダで離婚をする場合には相手の同意は必要ありません。同意が必要なのは離婚条件のみです。


日本人のクライアントの方は自分は大丈夫だと楽観的に状況を見てしまう傾向にあります。パートナーから罵られること、コントロールされることは”大丈夫”ではありません。自分がDVを受けているのではと思ったら助けを求めましょう。


参考:

https://www2.gov.bc.ca/gov/content/justice/criminal-justice/bcs-criminal-justice-system/reporting-a-crime/what-is-a-crime/crime-examples/domestic-violence


安藤

SPECHT & PRYER Barristers / Solicitors 
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